湘南T-SITE/ 菜の花ヴィレッジ/ CLASKA Gallery & Shop "DO"(神奈川県藤沢市)
昨年12月、蔦屋書店が代官山に次いで2店舗目となるT-SITEを藤沢にオープンした。書店と30の個性豊かなショップが繋がる文化複合施設で、1号館は「ライフスタイルテクノロジー」、2号館は「食・暮らし」、3号館は「家族」をテーマとしている。建築デザインは、代官山T-SITEも手がけたクライン・ダイサム・アーキテクツが担当した。
3棟の1階の中心を貫くのが「MAGAZINE STREET」で、テーマに沿った関係書籍が並ぶ。その延長上に好奇心を満たしてくれる専門店が枝葉のように広がっており、本の世界とその先に展開する趣味の世界を、自然な気持ちで行き来できる。
2号館の2つの店を訪れた。暮らしや料理の本のコーナーと地続きなのは手仕事による日常雑貨の店「CLASKA Gallery & Shop "DO"」。湘南ならではの展開は、器とそれに合った食材や調味料などが充実している点。フェアや企画展も開催され、シームレスな発想が、この店でも生かされている。2階に上がると、どこからともなくよい香りが。「菜の花ヴィレッジ」の工房では焼きたての「パリパリ焼モンブラン」を提供。現代陶芸家の器を中心に、小田原を拠点に活動する高橋台一の選んだ逸品からお気に入りを探せる。低層ののびやかな空間で、ゆったりした時間を楽しめるのが魅力だ。(文・永峰美佳)